はじめに
「最近、うちの猫の様子が少しおかしい…」
「高齢猫に多い腎臓病って、どう対策すればいいの?」
こんな不安を感じていませんか?
猫にとって腎臓病は非常に身近で、特にシニア期には発症率が高い病気のひとつです。
放置すると進行しやすく、命に関わるケースもあるため、早期発見と日頃のケアが重要になります。
この記事では、以下のような内容をわかりやすく解説します。
- 猫の腎臓病の原因と症状
- 病気の進行度と治療方法
- 自宅でできる予防とケアのポイント
愛猫と長く健康に過ごすために、ぜひ知っておいてほしい情報をまとめています。
■ 猫の腎臓病とは?なぜ高齢になると増えるのか
猫の腎臓病は、腎臓の機能が少しずつ低下していく慢性疾患です。
腎臓は身体の老廃物や毒素を尿として排出したり、水分や塩分のバランスを調整したりする大切な臓器。
一度機能が失われると、回復することがほとんどないため、いかに早く気づいて対応できるかがポイントになります。
特に10歳以上の猫の約30~40%が何らかの腎臓トラブルを抱えているというデータもあり、高齢猫にとっては非常に注意すべき病気です。
■ 猫の腎臓病で見られる主な症状
腎臓病は、初期の症状が非常にわかりづらいため、見逃されやすいのが特徴です。
以下のような変化に気づいたら、早めに動物病院で診察を受けましょう。
【初期のサイン】
- 水をよく飲むようになった
- おしっこの量が増えた
- 食欲がやや落ちている
- 元気がなくなった
- 体重が減ってきた
【中期~末期の症状】
- 明らかな食欲不振
- 嘔吐や下痢
- 口臭が強くなる(アンモニア臭)
- 被毛のツヤがなくなる
- 脱水、貧血、けいれんなど
特に「水をたくさん飲む&おしっこの量が増える」は、腎臓の濾過機能が落ちてきているサインです。
■ 腎臓病の主な原因とは?
腎臓病の原因は明確に特定できないことが多いですが、以下のような要因が影響すると言われています。
- 加齢による自然な機能低下
- 長期間の脱水状態
- 慢性的な高血圧
- 尿路結石などの泌尿器トラブル
- ウイルス感染(例:猫免疫不全ウイルスなど)
- 塩分やリンが高い食事
食生活と水分摂取の管理が非常に重要になります。
■ 猫の腎臓病の治療方法とは?
腎臓病は一度進行すると完治は難しいため、治療は「進行を遅らせる」ことが中心になります。
【主な治療法】
- 腎臓サポート食への切り替え
リンやナトリウムを制限し、タンパク質も調整された療法食が基本です。 - 皮下補液(輸液)
脱水を防ぐために、自宅または病院で点滴を行うケースがあります。 - 内服薬の投与
高血圧、貧血、吐き気の緩和などを目的に使われます。 - 定期的な血液検査と尿検査
進行状況を把握し、早めに対処できるようにします。
早期発見であれば、食事療法と定期ケアのみで進行をかなり抑えられることもあります。
■ 自宅でできる!猫の腎臓病予防と日々のケア
- 新鮮な水を常に用意する
飲水量を確保するために、複数の場所に設置したり、循環式の給水器を使うのも効果的です。 - 良質なタンパク質の食事を選ぶ
リンの少ないフードを選び、年齢に応じてフードを見直しましょう。 - 定期的な健康診断(年に1〜2回)
シニア猫は半年に1回の血液検査がおすすめです。 - トイレチェックの習慣をつける
尿の色、量、ニオイに変化があれば要注意です。 - ストレスの少ない環境を整える
静かで安心できる空間を作り、生活リズムを安定させましょう。
■ まとめ:腎臓病は早期発見と日々のケアがカギ
猫の腎臓病は、静かに進行するからこそ、気づいたときの行動が大切です。
日々のちょっとした異変を見逃さず、定期的な健康チェックと予防的ケアを心がけることで、
愛猫の寿命を延ばし、元気な毎日をサポートできます。
「水をよく飲むようになった」「最近あまり食べない」
そんな変化があったら、迷わず獣医師に相談することが大切です。